・アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士
・株式会社フィットネス&コミュニティ代表
・プライベートジムBODY DIRECTOR代表
・YouTubeチャンネル
目次
Toggleプロローグ:優秀な経営者が、会議の前にジムに行く理由
シリコンバレーのCEOたちが、朝5時にジムで汗を流す。
日本のトップ経営者が、週3回必ずパーソナルトレーニングを受ける。
これは単なる「健康志向」ではありません。彼らは次の事を知っています。それは、意思決定の質は、身体の状態で決まるという事を。
しかし、もっと深い真実があります。
トレーニングそのものが、「経営者の脳」を作り変えているということ。
2025年に発表された最新研究(Kuzmić, Filipec, & Jakovljević, Healthcare)が、この直感を科学的に証明しました。468名のデータが示したのは、激しい身体活動が、自分を客観視する力(メタ認知)を劇的に高めるという事実です。
そして、この「自分を外から見る力」こそが、AI時代の経営者に残された競争優位なのです。
第一章:経営者の意思決定を狂わせる「3つの罠」
1-1. 罠①:感情的バイアスの支配
行動経済学者ダニエル・カーネマンは、人間の意思決定の95%が「速い思考(システム1)」-つまり感情と直感に支配されていると指摘しました。
経営者も例外ではありません。
データが示す客観的事実
「この事業は撤退すべき」
しかし脳内で起きていること
「自分が立ち上げたプロジェクトを失敗と認めたくない」
この感情的バイアスに気づけるかどうかが、経営の分かれ目です。
1-2. 罠②:「今の自分」との過剰同一化
多くの経営者が陥る罠 -それは「会社=自分」という同一化です。
会社の株価下落=自分の価値の下落
部下の失敗=自分のマネジメント能力の否定
この状態では、冷静な判断は不可能です。
なぜなら、全ての意思決定が「自我の防衛」に影響されるからです。
1-3. 罠③:視座の固定化
経営者は孤独です。
忖度のない意見を聞ける相手は、ほとんどいません。
結果として、「自分の視点」しか持てなくなる これが最も危険な罠です。
「もし自分が外部投資家だったら?」
「もし自分が新入社員だったら?」
「もし10年後の自分が今日の判断を見たら?」
こうした視点の切り替え(メタ認知)ができない経営者は、必ず判断を誤ります。
第二章:468名が証明した、身体活動と「視座の高さ」の相関
2-1. 研究の設計:何を、どう測定したのか
クロアチアの研究チームは、理学療法学生468名(18〜25歳)を対象に、以下を測定しました。
【測定項目①】身体活動レベル(IPAQ-SF)
- ・激しい運動(vigorous-intensity):ジョギング、筋トレ、格闘技など
- ・中程度の運動(moderate-intensity):速歩き、軽いサイクリングなど
- ・ウォーキング:日常的な歩行
- ・総身体活動量:上記の合計
【測定項目②】メタ認知能力(MAI: Metacognitive Awareness Inventory)
- ・宣言的知識:「自分がどう学び、どう考えるかを知っている」
- ・手続き的知識:「どう実行するかを知っている」
- ・条件的知識:「いつ、なぜその方法を使うかを知っている」
- ・計画能力:目標設定と戦略立案
- ・情報管理能力:効率的な情報処理
- ・モニタリング能力:自己の理解度を監視
- ・評価能力:結果を振り返り、改善する
【測定項目③】共感能力(EQ-28)
- ・認知的共感:他者の視点を理解する力
- ・感情的反応性:他者の感情に共鳴する力
2-2. 衝撃の結果:激しく動くほど、自分を正確に見られる
【発見①】激しい運動 × 宣言的知識(p = 0.000)
激しい運動を習慣化している人ほど、「自分がどう考え、どう学ぶか」を正確に把握している
経営への示唆
自分の思考パターン、判断の癖、バイアスの傾向を客観的に理解できる=戦略的自己認識
【発見②】ウォーキング × 認知的共感(p = 0.000)
歩く習慣がある人ほど、「他者の視点を取る力」が高い
経営への示唆
顧客視点、従業員視点、投資家視点を自在に切り替えられる=多角的意思決定
【発見③】総身体活動量 × 全般的向上
身体活動量が多いほど、宣言的知識(p=0.000)、共感指数(p=0.006)、認知的共感(p=0.001)の全てが向上
【発見④】中程度の運動では効果なし
興味深いことに、moderate-intensity(中程度の運動)では、メタ認知との有意な相関が見られませんでした。
経営への示唆
「激しく動く」か「歩く」という明確な身体活動が鍵。「なんとなく運動」では不十分。
第三章:なぜ「激しい負荷」が、経営者の脳を作り変えるのか
3-1. メカニズム①:前頭前皮質の構造的変化
神経科学の研究(Mandolesi et al., 2018)では、身体活動が脳の前頭前皮質(PFC)を物理的に変化させることが証明されています。
前頭前皮質とは何か?
- ・実行機能の中枢
- ・戦略的思考、計画、意思決定を司る
- ・衝動を抑制し、長期的視点を持つ能力
- ・複数の視点を統合する能力
つまり、「経営者の脳」そのものです。
週3回、60分の激しい運動を12週間続けるだけで、この領域の灰白質が有意に増加することが分かっています。
これは、経営者向けMBAプログラムよりも、即効性がある脳のアップグレードです。
3-2. メカニズム②:身体との「距離感」が、視座を生む
経営者が会議室で判断に迷う時、彼らは「今の自分」の中に完全に囚われています。
しかし、激しい負荷の中で身体を動かす時——
「心拍数が170を超えた。ペースを落とそう」
「フォームが崩れている。修正しないと怪我をする」
「あと2レップで限界。ここで補助を求めるべきか?」
この瞬間、あなたは「身体を動かしている自分」と「それを観察している自分」に分離しています。
これが、視座の獲得です。
Palmer et al. (2019)の研究では、急性の身体運動後、メタ認知的判断の精度が向上することが示されています。つまり、運動直後は「自分の判断が正しいかどうか」を正確に評価できるのです。
3-3. メカニズム③:認知的共感の向上——他者視点の獲得
今回の研究で最も経営的に重要なのは、身体活動が「認知的共感」を高めるという発見です。
認知的共感とは、「他者の立場に立って考える力」-つまり視点の切り替え能力です。
経営における応用
- ・顧客の視点で自社製品を評価できるか?
- ・新入社員の視点で社内制度を見直せるか?
- ・投資家の視点で自社戦略を批判できるか?
この「視点の切り替え」こそが、イノベーションと戦略的優位の源泉です。
3-4. メカニズム④:エゴの迂回 身体は嘘をつかない
会議室での議論は、どうしても「立場」「メンツ」「政治」が混入します。
しかし、バーベルを持ち上げる瞬間、身体は嘘をつきません。
- ・息を止めて一人で耐えるか?
- ・声を出して補助を求めるか?
- ・限界を認めて重量を下げるか?
この選択パターンは、あなたの経営スタイルと一致します。
私たちヘルスコーチは、この「身体反応」を通じて、あなたの思考の癖を可視化します。
第四章:ケーススタディ——身体が映し出した「経営判断の癖」
4-1. ケース①:抱え込み型経営者(製造業社長・52歳)
状況
売上は安定しているが、幹部が育たない。全ての意思決定が社長に集中し、組織がボトルネック化。
トレーニング中の身体反応
デッドリフトで限界が来ても、必ずコーチの補助を拒否。歯を食いしばり、一人で持ち上げようとする。
ヘルスコーチの指摘
「〇〇さん。今、補助を受けるより、一人で耐えることを選びましたね。」
気づき
「会社でも同じだ。部下を信頼せず、全て自分で抱え込んでいる。幹部が育たないのは、私が『任せる』ことを恐れているからだ」
変化
翌週から重要案件を幹部に委譲。6ヶ月後、営業利益127%成長。
4-2. ケース②:成果主義型経営者(IT企業CEO・45歳)
状況
売上は伸びているが、離職率が高い。社員のエンゲージメントスコアが低下。
トレーニング中の身体反応
スクワットのフォームが崩れても、回数にこだわる。「あと3回!」と自分を追い込み、膝に負担がかかる危険なフォームで続行。
ヘルスコーチの指摘
「今、回数をこなしに行くことを選びましたね。この選択の先に、怪我をするリスクが高まります」
気づき
「会社も同じだ。KPI達成にこだわるあまり、社員の疲弊を見ていなかった。数字を追うことで、本質を失っていた」
変化
評価制度を見直し、プロセス重視の文化を導入。3ヶ月後、離職率が半減。
4-3. ケース③:完璧主義型経営者(コンサル会社代表・38歳)
状況
新規事業の立ち上げが遅い。「完璧な準備」を求めすぎて、意思決定が遅延。
トレーニング中の身体反応
ベンチプレスで、1mmでもフォームが崩れると、自分でセットをやり直す。「完璧でないとダメ」と何度もリセット。
ヘルスコーチの指摘
「〇〇さん。今、『80点で進む』より『100点で止まる』を選びましたね」
気づき
「新規事業も同じだ。完璧を求めすぎて、市場機会を逃している。80点でリリースして、改善すればいい」
変化
MVP(最小実行可能製品)での市場投入に方針転換。3ヶ月で新規顧客獲得。
第五章:なぜ「ヘルスコーチ/BODY DIRECTOR」は経営者のトレーニングジムを提供するのか
5-1. 私たちが提供するのは、筋肉ではなく「メタ認知」
一般的なパーソナルジムとの最大の違い
一般的なジム:「この種目で、この筋肉を、こう鍛えます」
BD:「この負荷の中で、あなたの思考の癖が、こう現れました」
私たちは、身体を「思考のX線写真」として扱います。
5-2. ヘルスコーチという「第三者の目」
経営者には、忖度のない意見を言ってくれる人が必要です。
しかし、社内にそんな人材はいません。
顧問弁護士も、税理士も、コンサルタントも、結局は「外部の他人」です。
しかし、あなたの身体反応は嘘をつきません。
そして、その身体反応を「鏡のように反射する」ヘルスコーチは、 最も正直な第三者です。
5-3. 経営者専用プログラム:3つの柱
【柱①】身体診断セッション
- ・あなたの身体反応から読み解く「思考の癖」診断
- ・経営スタイルとの照合分析
- ・カスタマイズされたトレーニングプラン設計
【柱②】週1回のパーソナルトレーニング(50分/整体含む)
- ・激しい負荷による「視座獲得」体験
- ・身体反応のリアルタイムフィードバック
- ・メタ認知能力の段階的強化
【柱③】月1回の振り返りセッション(30分)
- ・トレーニングから得た気づきの言語化
- ・経営判断への応用戦略
- ・次月の課題設定
第六章:AI時代の経営者に必要な、たった一つの能力
6-1. AIは、あなたの代わりに戦略を立てられる
2025年、生成AIは驚異的に進化しました。
AIに「我が社の新規事業戦略を立てて」と頼めば、 15分で50ページのプレゼン資料ができあがります。
データ分析も、市場調査も、競合分析も、AIは瞬時にこなします。
では、経営者の価値は何か?
6-2. AIには絶対にできないこと 「自分の判断を疑う」
AIは、与えられた前提の中で最適解を出します。
しかし、「その前提そのものが間違っていないか?」という問いは、投げかけられません。
この「問いを問う力」それがメタ認知です。
- ・「AIが提示した戦略は、本当に正しいのか?」
- ・「私の質問自体が、バイアスに汚染されていないか?」
- ・「この判断は、5年後の自分から見てどうか?」
この視座を持てるかどうかが、AI時代の経営者の競争優位です。
6-3. そして、その視座は「身体」から育つ
最新の研究が証明したように、 激しい身体活動とメタ認知には、科学的に証明された相関関係があります。
つまり、 AI時代の経営者に必要な唯一の武器は、トレーニングルームで手に入るのです。
結論:あなたの次の「戦略会議」は、トレーニングルームで
経営判断で迷った時、何をすべきか?
多くの経営者は「もっとデータを集めよう」と考えます。
しかし、本当に必要なのは、データではなく視座です。
- ・今の判断は、感情的バイアスに支配されていないか?
- ・別の視点から見たら、どう見えるか?
- ・10年後の自分は、この選択をどう評価するか?
この問いを投げかけられる力、それが、トレーニングルームで育ちます。
今、あなたに必要なのは、情報でも戦略でもない。「自分を見る目」
BODY DIRECTORは、経営者の「思考OS」をアップデートする場所です。
ここで手に入るのは
- ・筋肉ではなく、メタ認知
- ・体力ではなく、視座
- ・健康ではなく、判断力
エピローグ:身体が変われば、経営が変わる
シリコンバレーのCEOたちが、なぜ朝5時にジムにいるのか。
日本のトップ経営者が、なぜ週3回必ずトレーニングするのか。
その答えは、468名のデータが証明しました。
激しく身体を動かすことで、自分を外から見る力が育つ。
その力こそが、AI時代の経営者の最後の武器だから。
あなたの次の戦略会議は、会議室ではなく、トレーニングルームで始まります。
まずは、自分の「判断の癖」を、鏡で見てみましょう。
参考文献
- 1. Kuzmić, A., Filipec, M., & Jakovljević, M. (2025). The Links Between Physical Activity, Metacognition, and Empathy Among Physiotherapy Students. Healthcare, 13(18), 2350.
- 2. Mandolesi, L., Polverino, A., Montuori, S., et al. (2018). Effects of Physical Exercise on Cognitive Functioning and Wellbeing. Frontiers in Psychology, 9, 509.
- 3. Palmer, M. A., Stefanidis, K., Turner, A., et al. (2019). Acute Physical Exercise Can Influence the Accuracy of Metacognitive Judgments. Scientific Reports, 9, 12412.
- 4. Kahneman, D. (2011). Thinking, Fast and Slow. Farrar, Straus and Giroux.