【発声に必要な筋肉 / 声を職業にする方へVol2】

<相談>
私は声楽を職業にしています。緊張や疲労を感じる時に上手く声を届けることが難しくなります。どのような理由で発声に影響しているのかを知りたい。

また、疲労を残さないために自分でできるメンテナンス方法も教えて欲しい。

 

 

記述者の紹介
島脇伴行(アメリカスポーツ医学会認定、運動生理学士/ 契約実績、Official髭男dism、GLAY、トイズファクトリー、ポニーキャニオン、ヤマハミュージック等、日本で最初の完全個室パーソナルジム表参道BODY DIRECTOR代表)

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bodydirector.com/counseling/

 

 

この記事でわかること
① 筋肉の凝りと、発声時パフォーマンスの関係性
② 神経系の不具合と発声について
③ 筋肉、神経のメンテナンス方法

このような方におすすめ
・声楽家
・ボーカリスト
・アナウンサー
・ユーチューバー
・ラジオDJ
・ヨガインストラクターのように人前で届く声を必要とされる方
・プレゼンテーションの機会が多い方
など

 


 

▼目次

発声に関連が深い筋肉

 ・体を前方から見て

 ・体を背面から見て

 ・呼吸に関連する筋肉

発声時のウォームアップ

セルフメンテナンスの方法

 ・背骨を調整する方法

 ・首を調整する方法

 


 

 

発声に関連が深い筋肉

 

体を前方から見て

 

発声に使われる筋肉となると、声帯近くである首周りの筋肉を想像される方は多いと思います。しかし、発声は肺に空気を入れ、その空気を吐き出すときに声帯で音となって行われます。

それには肺を支える筋肉や肺に空気を取り込む筋肉、そして肺から空気を吐き出す時に使う筋肉を上手にコントロールして使う必要があります。

体を正面から見た時に特に発声に関連する筋肉は頸部、胸部、腹筋群
頸部以外は、いわゆる体幹と呼ばれる場所になります。

もう少し大きな視点で説明すると、それら体幹を支える役割である股関節や脚の筋肉も発声に間接的に関与します。

 

 

体を背面から見て

 

 

後頸部、体幹(背筋)、骨盤部(臀部)

首の後ろの筋肉は頭を正常な位置にコントロールするためにも重要な筋肉です。それによって気道が真っ直ぐ、そして呼吸を行いやすくなります。声帯付近(甲状軟骨)のコントロールにも間接的に関与します。

背筋は背骨を支えることと肋骨の支えにも使われます。骨盤部は大きな関節である股関節がありますが、臀部の筋肉が脚と接着していることで、骨盤を安定させる作用も持っています。

前方から見た筋肉も、背面から見た筋肉も、呼吸筋が機能的に働くように姿勢を支える重要な筋肉群です。

 

 

呼吸に関連する筋肉

 

 

呼吸筋

ここからは発声に直接関連する筋肉です。
胸鎖乳突筋、斜角筋、内肋間筋、腹直筋、腹横筋

胸鎖乳突筋、斜角筋は、後頸部と共に頭、首を支える筋肉です。ただ、厄介な特徴も持っていて、それは、緊張などのストレスから張りやすくなる筋肉です。歌唱の本番前などの緊張や長期的なストレス時にも影響を受けやすい部分です。日頃のケアや心理面のコントロールで緊張を和らげることが声帯の思い通りにコントロールすることに繋がります。

内肋間筋は肺のスペースを小さくする際、つまり肋骨を動かす筋肉です。息を吐くことに大きく関与します。同じく腹直筋(シックスパックになる凸凹した筋肉/いわゆる腹筋です)も息を吐く際に収縮します。

腹横筋は直接の呼吸筋ではありませんが、呼吸筋を支えるために、腹筋まわり(胴体)を支える重要な部分となります。

 

背部からみた呼吸筋は
胸鎖乳突筋、上後挙筋、肋骨挙筋、下後鋸筋

上後挙筋、肋骨挙筋は息を吸う時に使われる筋肉です。これら筋肉が硬く収縮しづらい状態になることで呼吸が浅くなったように感じます。これらも緊張やストレスに影響を受けやすい部位です。

下後鋸筋は肋骨を下から支える筋肉です。胴体の動きに安定感をもたらす作用もあります。

 

 

発声時のウォームアップ

 

皆さんは発声時のウォームアップはどのような方法でされていますか。声帯を徐々に慣らしながら、ストレッチポールで背骨や筋膜をほぐすようなやり方ですか。それとも汗をかくくらい筋肉を温めるような方法でしょうか。

これらの方法で、全身の神経の繋がりを良くし、声帯周りのコントロールも行いやすくなります。独自のやり方を皆さんお持ちだと思いますが、ウォームアップの目標は
1、神経のつながりを整える事
2、筋肉の温度を高めて動きやすくする事

になります。

 

 

セルフメンテナンスの方法

 

喉を(声帯)を使った後は声帯の疲労だけではなく、首、喉の周りも疲労があります。また、日常生活や睡眠不足、ストレスなどでもこれら筋肉は影響を受けます。

そのためにも日頃からセルフメンテナンスを行うことで長くパフォーマンスを続けることができるようになります。

背骨と首の2種類のメンテナンス方法をご紹介します。

 

 

背骨を調整する方法

 

ストレッチポールを使用するやり方がお勧めできます。現在は「ストレッチポール」で商法登録されている元祖商品以外に様々なものが販売されています。Amazonを見るだけでもたくさんの種類があります。それだけ支持されている商品なのですね。

柔らかいものも売られていて、背骨に当てるとソフトで気持ちいいのですが、私はこれよりも硬めの方をお勧めしています。理由は柔らかすぎると背骨の関節矯正にはなりにくいからです。

 

<方法>
1、ポールの上に寝転がります。後頭部もポールの上に乗せる。
2、ポールの上で体を左右に動かす。

 

<方法>
1、ポールを横向きにセットします。
2、ポールの上で体を頭方向、足方向に動かします。
  ポールは地面を転がります。*腰が弱い方、痛みがある方は行わないように。

 

 

首を調整する方法

 

首周りの筋肉付近には図のように神経が何本も存在しています。
これらの神経の出発地点は頭の中の脳です。この中でも迷走神経系という神経群が、日常生活の緊張やストレスと関わりが深いと考えられています。そのため、体に過負荷な状態が続くことで、この神経に関連する筋肉にコリやハリが現れます。
これらコリは、声帯をコントロールする際にも影響を与えます。
それら筋肉を適切にケアすることで、声帯にかかる負荷を低減させる可能性と、コントロールが行いやすくなるというメリットがあります。

 

 

筋肉・筋膜ストレッチ①

 

<方法>
1、左肩を下げた状態で頭を右に倒します。
2、右手で頭を右に軽く引っ張ります。
  首の横のストレッチを感じましょう。10秒から30秒程伸ばし続けます。

 

 

筋肉・筋膜ストレッチ②

 

<方法>
1、左肩を下げた状態で斜め上を見ます。顎を少し上に上げる感じ。
2、右手で左肩を軽く後ろに押します。首の表面の皮が伸びる感じです。10秒から30秒ほど伸ばし続けます。

 

 

いかがでしたでしょうか。
定期的にどうぞトライしてみてください。写真では分かりにくい部分がありますので、下記YouTubeでも同様の内容を公開しています。

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