創造的脳「クリエイティブマインド」を高めるトレーニング

創造的脳が必要な時代


批判を顧みずに申しますと、MBAや経営博士号に代表される経営の勉強をし、過去、現在の経営論や経済を知ったとしても、学べば 学ぶほど、論文などで発表される方法論で作成するものは一般的な凡庸化したビジネスモデルやプロジェクトとなり易い。例えば、フランス料理のフルコースのような豪華さはあったとしても、そこには記憶に残る料理はない。(もちろん斬新でこれまでにないアイデアを発案する人が少数いる ことも認識しています。)


だからといって、他と差別化をしようと無理やり変人的レベルのものを取り入れたとしてもクライアントや最終顧客に理解が得られない。そのような差別化の世界で、いわゆる成功というものを得るのであれば、スティーブ・ジョブスが行ってきたような偉人変人レベルの発明であり、それを皆が理解できるようにまで噛み砕く必要がある。


私が何が言いたいのかというと、iphoneのようなイノベーションを 起こし、かつ幅広い層の支持を得る事は「神業」である。 神業を持っている人以外は、一生「三振」となる可能性がある。そうならないようにするには打率を高めるためにヒットを打つという方針もある。


話をフランス料理に戻すと、記憶に残る料理を作ろうとして、全ての料理を3つ星確定の記憶に刻み込まれるメニューにすることは難しい。 しかし 「メイン料理1つを記憶に残るメニューとしよう。」ということであれば、そのコース料理をそこそこ気に入っていただける確率はぐっと上がる。もちろん、全てのメニュー、記憶に残るものを作りたいという超ハイパフォーマーの人はいると思うし、私はそのような人に憧れている。


その時、創造的脳が必要となる。 メイン料理を記憶に残るメニューとする際、他の料理との組み合わせやバランスを考えることになる。メイン料理だけが際立って美味くとも、他との相性が悪ければ、全体の印象がイマイチと感じられてしまう。人の記憶にはそのように刻まれる。
ではこのバランスや料理の相性を、再現性のある「化学的な法則で 整えよう」としても現在の化学では恐らく難しいと思う。(もしできるという方がいれば訂正しますので情報を教えてください)


「メイン料理との組み合わせを考える方法」


1、現在、過去の素晴らしいシェフや舌のいい人達が美味しいと思ったメニュー構成を再現すること
2、なぜだか分からないけれど、「この組み合わせがいい」と直感的に感じて、創造して作り上げること


このどちらかだと考えられます。

2、は体を治療する「整体の世界」でも同じで、(恐らく)過去の治療で得た経験を瞬時に脳から無意識に引っ張り出し、この方向に矯正すると上手くいくだろうという確信に近いものを感じて筋肉や関節を動かします。もちろん整体にもいくつかの方法論というものはあって、テキストも一部実在するのですが、多くの治療パターンはそのテキストには記載がないので、実際は経験を基に施術を行うことになります。 その際、頭の中で手順をいちいち考えません。と言うのは、考えて施術をすると間欠的な歪なリズムとなって、施術に時間がかかるし、歪なリズムで患者も不安に感じるでしょうから心理的にも治療にブレーキがかかります。


ビジネスの世界でも「方法論で決める」という、所謂、理論的に正し いことを行っていれば上手くいく。という戦略。


ブルーオーシャン時の戦略としては、それは成り立ったのでしょうけれど、今の時代、広々としてブルーオーシャンという世界は限りなく少ないので、このやり方で戦った場合、理論的に正しい戦略は似たり寄ったりとなり、戦略が凡庸化しやすく、そこで勝率を上げることは難しいと考える方が自然です。

そこで、「創造的に考える脳」が必要になります。 (そんな事はもう分かっているという方も、後にトレーニングとどの ように関係あるのかを説明しますので、もう少しお付き合いください。)


創造的に考えるとは、分かり易く例をあげると、作曲家や画家や、小説家などのアーティスト のように(方法論やテクニックで創作する人もいますが)自分の知識 や経験という、自らの頭の中で質問をして創作物を作ること。それと同じように、ビジネスモデルや企画や戦略なども同じような手 順で作る事を癖づけることでヒットとなる打率を上げる。


なぜそれで打率が上がるのかというと、競合ひしめく中、方法論だけに頼ると凡庸化することは先述した通りだけれど、神経細胞(ニューロン)は芸術のように脳の中に多様性を持っているからである。なので、そこからアウトプットされたものは一般化されていないものが多くなる。


更には、そこに自分のワクワクする事を取り入れることができると、脳の扁桃体が反応して、ドーパミンが分泌し、脳の機能が上がり、プロジェクトを進める推進力もつきます。

 


創造的脳はトレーニングによって作られるのか

 

 

創造的な脳は後天的に作られる事が分かっている。それは、その人の知識と経験から自ら考えるという思考によって訓練される。つまり、普段 から「創作する」という癖をつける事と色々な情報を脳に入れるという 事で創造的脳は強化できる。


そして、ここからが本題。肉体的トレーニングと創造的脳の関係があるのかということ。


その前に、右脳、左脳、と分ける事がありました。右脳は芸術脳で、左脳 は論理的脳と。

しかし、この考えは間違っていることが分かっていま す。創造的な思考をしているときに左右の脳はバランスよく使われてい るということです。創造的脳を鍛えるとは、右脳だけを鍛えるのではな く、「脳自体を強化すると良い」ということになります。


数年前に「脳を鍛えるには運動しかない」という本が世界的にヒットし ましたが、そこにはカーディオ系運動(一般的に有酸素運動と呼ばれ る)であるランニングを行うことで脳機能が大きく向上したと言うこと が書かれた本。 実際にランニングを行うとわかるのですが、多くの人が運動後、心地よ いという感覚を感じます。

 

これは、カーディオ系の運動に


・抑うつ効果
・自律神経調整効果
・ストレス解消効果


などがあるからと考えられています。


では、筋トレではどうでしょうか。 マガジンハウス「ターザン」2021年6月10日号特集より 先ほど紹介した「脳を鍛えるには運動しかない」著者の精神科医、 ジョン・J・レイティ博士へのインタビューより

 


「動物を対象にした研究ですが、「筋トレはどちらかというと認知、学習、記憶に大きな影響を与える。」「カーディオ系(有酸素)運 動は感情面での効果が大きい」と考えられています。 筋トレは特に、大脳の記憶を司る領域である「海馬」が成長しま す。また、以前は脳細胞が増える領域は限定的と考えられていまし たが、前頭葉も成長します。前頭葉の成長は集中力にも関係しています。」


 

このように筋トレと言われている「レジスタンス運動」筋肉に負荷をかける運動は脳機能を高めることが分かってきました。私や私のクライアントの経験としても、筋トレを行った後に「頭が スッキリする、冴える。自己高揚感が高まる」という効果ははっき りと感じることができます。

 

このように、カーディオ系運動とレジスタンス系運動を行うことで、認知、学習、記憶、情動など、脳の機能を向上させることは可能で、総じてクリエイティブな事を考える「創造的な脳を」強化できることがわかります。

 

BODY DIRECTOR
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