第3回/(前半)リアル砂漠と東京砂漠〜島脇伴行がサハラで見たもの

表参道、銀座のパーソナルトレーニング専門ジム、ボディディレクターの島脇です。
今回は私も出場した、第32回サハラマラソンの模様を振り返る第3回目です。この記事はライターの山田洋さんに寄稿していただきました。

 

第3回/レース本番〜サハラ砂漠7日間の旅(前半)

 

生来の慎重派で、サハラ砂漠を走るなんて微塵も考えたことがなかった島脇トレーナー。普段はお客さんでもある森栄樹さんに話を持ちかけられ、森プロデュースによる「島脇プラン」を1年かけてこなしながら、砂漠仕様のウルトラランナーになんとか仕上がった島脇トレーナーは、いよいよレース本番を迎えた。

 

6ステージの250km。まさに非日常の砂漠をどう走り、何を感じたのか。悪戦苦闘を振り返る。

 

暑さと砂との戦いが始まる

 

◆STAGEレース前半(第1ステージ〜第3ステージ)

Q、レース前半は第1ステージ34km、第二ステージ39km、第三ステージ31.6kmですが、どんな雰囲気でスタートしたんですか?

 

島脇「いよいよ!という緊張感が漂う……と言いたいところなんですが、なんとも緩やかな時間が流れていましたね。ピリピリムードなんで全くなくって(笑)」

 

森「スタートは朝8時30分で、確かに長いレースが始まるんだという気持ちにはなっていましたけど、長すぎるからですかね、焦ったってしょうがないわけですから、スタート直前の雰囲気はリラックスムードが漂っていました」

 

Q、レースプランはどう考えていたんですか?

 

島脇「とにかく飛ばさない。サハラ砂漠の暑さを知らないわけですし、日本の砂とも異質なほど違っていて、慎重に、落ち着いていこうと考えていました」

 

森「スタート時の8時30分は、そんなに暑くなかったんです。こんなもんか?くらいに(笑)。でも2時間すれば、11時前くらいから一気に暑くなるんですよ」

 

島脇「湿度は20%台くらいで低いんです。でも、日差しが強烈で、気温もぐんぐん上がって、これは大変なところに来たな!って初日で感じましたね」

 

Q、前半の三日間はどういう感じでした?

 

森「スタート直前までのリラックスムードとは裏腹に、みんな飛ばすんですよ。あれだけ慎重にいこうと決めていたのに、周囲につられて前のめりになってしまいました。今思い返すと初日からオーバーペースでしたね」

 

島脇「初日から足裏にマメを作ってしまいました。ゲーターと言って、砂の侵入を防ぐためにシューズの上部を覆う布のようなものがあるんですが、全く役に立ちませんでした。砂の粒子がとにかく細かくてサラサラ。シューズの内部はあっという間に砂まみれになりました」

 

森「問題なのは、その乾燥しまくった砂が足裏の水分などをスポンジのように吸収してペースト状になるんです」

 

島脇「慣れない砂地ということもあって、通常とは違うところに負荷がかかったり、砂がペースト状になっている靴の中で足が動いて、いくつも水ぶくれが出来て…。その次には組織液が垂れてきて、靴下と皮膚がガビガビに固まるんです。もうね、7日間、それとの戦いでしたね」

 

これがゲイターと呼ばれるもの

 

◆身体へのダメージ、足へのダメージ

 

Q,暑さ、砂、ステージレースなど、特殊な環境で身体はどうなっていくんですか?

 

森「各ステージが始まる前、水が1.5L×2、つまり3L渡されるんです。もちろん全部飲むためではなく、半分は身体を冷やす掛け水として使います。暑さ対策ですね」

 

島脇「今思えばですね、慢性的な軽い熱中症状態でずっと過ごしていたと思います。それだけ暑さにやられていたのだと思います。でも、脚や筋肉系のダメージは少なかったですよ。足裏や指回りを除いては(笑)」

 

森「暑さが想像以上だったので、ガンガン攻めるレースではなく、完走を目的にすることに修正しました。結果的にそのプランが良かったのだと思います」

 

島脇「やっぱりサハラ砂漠は特殊な環境でしたね。全体的にテンションは高いわけですけど、暑さ、乾き、日差し、砂、痛み、内臓疲労といった要素が日増しに蓄積されていきます。改めて写真を見返すと痩せてますもん!(笑)」

 

◆食のこと、荷物のこと

 

Q,レース中の食事はどうしていたんですか?

 

島脇「1日2,000kcal以上、7日間で14,000kcal以上の携帯を義務付けられていました。水はもらえるので、携帯バーナーとかで沸かしたりして、アルファ米や携帯型カップラーメンを朝と夕に食べ、レース中はエナジーバーやジェルといったものを行動食・補給食として口に入れる感じです」

 

森「でもね、サハラ経験者に日本を経つ前に『お米が食えなくなるよ!』と言われていたんですけど、本当だったんですよ」

 

島脇「本当でしたよね。僕は2日目だったかな、お米が喉を通らないんですよ。ゴックンができないんです。日常的に食べていたお米が食べられなくなって、いっこうに荷物が減らない……。そこでどうしたかと言うと、捨てるんです(笑)」

 

森「重さは負荷ですから、心理的にも1gでも減らしたくなるんです。どうせ食べないのなら、荷物を軽くするために捨てよう!と。3日目とかみんなバンバン捨て始めるんですよ〜」

 

島脇「はっきり言って、エネルギーは足りていません。プチ栄養失調状態だったと思います。もし、食が十分でない状態で攻めの走りをしていたら、完走できていなかったと思います。そんなことしたら身体が持たなかった。だから、覚悟を決めていらない食材は捨てて、軽くすること=負担を小さくすることを選んだわけです」

 

◆レース1日の過ごし方

 

Q,距離はバラバラですが、レースの始まりまでの段取りは大体同じだったそうですね?

 

島脇「そうですね。スタートが8時30分で、起きるのが5時くらい。外はうっすら明るくなっています。起きたら寝袋をたたみ、身支度を始めます。足の状態をチェックして、消毒液を塗ったり、テーピングを巻いたりといったケアをして、着替えて、お湯を沸かして、朝食を食べ、今日のコースレイアウトを見直したり、経験者にアドバイスをもらったり、そうこうしているとスタート15分前とかになっているんです。ダラダラしていたら時間が足りないので、テキパキと動いて朝のルーティンをこなしていく感じでしたね」

 

森「ゴールしてからもルーティンです。僕らはゆっくり目だったので、特に前半は夕方暗くなる前にゴールして、休息もそこそこに、足のケアですよ(笑)。ドクターテントがあって、みんなが集まっているんです。あちこち傷んでいるのでね」

 

島脇「医者から直接診療を受けている人は余程の状態の人で、3時間待ちとかザラなんです。参加者1300人が集まるわけですからね。じゃあ、自分で処置しようと、消毒液とテーピング、マメなどをつぶす針、絆創膏のようなものをもらっては、あちらもこちらもセルフ治療ですよ」

 

森「でもさ、もともと不衛生な環境だし、意味あったのかなぁって思う(笑)。ゴールしたらシューズと靴下を真っ先に脱いでサンダルに履き替えて、セルフ治療して、そのままサンダルで歩き回るわけで。日を追うごとに野戦病院化していましたね」

 

島脇「確かに僕らはゆっくりペースだったこともあり、ダメージは少なかった方だったかもしれません。でも、ゴールが遅いとセルフ治療の時間も夕食の時間も短時間になってしまいますし、そもそも明日に備えて体を休める時間が短くなってしまいます。与えられた24時間は変わらないわけですから」

 

森「速く走れば、速くゴールできて、ゴール後の時間がたっぷりになるけど、身体へのダメージも大きくなるわけです。ゆっくりだとその逆。ダメージと回復を考えた時、適切なペース配分って難しいと思いました」

 

毎朝のルーティン、足のケア

 

日に日にボロボロになっていく足

 

慣れない環境で困難が連続する中、レースは後半戦へと入ります。

 

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