マッサージの効果と選び方【表参道のパーソナルジム代表の私が解説します】

『身体の疲れが取れない。睡眠も浅い。体力も以前に比べて落ちてきている。ビジネスは順調に成長しているけれどこのままであれば数年先の自身の体調に不安がある。マッサージに通うことはあるけれど、この選択がベストチョイスかどうかが分からない。この辺りのアドバイスが欲しい。(40代会社経営)』

 

マッサージの勧めと効果効用


マッサージ含め、体に手で触れて身体の調子を整える事を施術と言います。本来、施術は治療目的で行くことが通常でした。例えば「ぎっくり腰」になったのでそれを治すために按摩に通うというように。ところが、近年は治療というよりは、リラクゼーションを目的として利用される割合が圧倒的に増えています。それは、施術にリラクゼーション効果があるということを証明していると考えることができます。そうでなければこれほどまでに施術のビジネス市場が盛り上がってはいないからです。


治療を行う場合は、問題が起こっている箇所の治癒力を高めるためにも有効ですから、その際は治療院に通うことをお勧めします。また、ストレスや過労で不定愁訴を感じている際は、睡眠をとることも効果がありますが、治癒力を上げる為には治療院だけではなく、リラクゼーション施設で施術を受けることも大変有効です。

 


マッサージが効果的な理由


筋肉への効果と自立神経系への効果


マッサージの科学的効果は人を対象とした実験では、まだ解明されていない部分も多いようですが、おおよそ以下のような機序で効果が現れると考えられています。


それは、施術によって筋肉や関節に物理的な刺激を与えることで、筋肉の感覚受容体が刺激を察知し、それを脳が感じ取ります。更に、脳から遠心的に筋肉に緊張を和らげるよう指令が発せられます。そして、筋肉自体に圧などの刺激を入れることで、その部分の疲労物質が外に押し流され、細胞回復しやすくなるとも考えられています。


また、自律神経系への効果もあります。自律神経の内の交感神経は過度な緊張や持続的な緊張によって筋肉に張りを作るという影響があります。過度な緊張は呼吸を浅く、早くし、その状態が長期間続くことで、睡眠も浅くなりやすいことも分かっています。その影響で、肉体的にも心理的にも疲れが蓄積されることになります。


施術によって体に刺激を入れることによって、交感神経、副交感神経の自律神経バランスが整いやすくなることも自律神経計測器のデータからも明らかとなっています。

 


間違った施術を受けるとマイナスの効果も


ここまでは施術の良い面の話をしてきましたが、ネガティブな話もあります。それは、施術の効果がないばかりか、逆に体調が悪くなるということも実際にはあります。 それは施術をする人との相性の問題と、施術師の技術が原因です。


相性とは、「なんだかこの人、いいな(よくないな)」と感じることです。なんだか嫌だなと思いながら施術を受けても、十分な効果は得られないことはイメージできると思います。


技術の問題は、経験に富んだ施術師であったとしても、施術の手段が少なく(施術のバリエーションが少ない)、自分の得意な方法でのみ体を触る場合です。この場合、そのやり方が合う方には良いのですが、体の状況によっては合わない日があります。後述しますが、この辺りの感覚が優れた人(患者側)は「今日は指圧」「今日は矯正」「今日はアロママッサージ」と、自分で受ける施術を選ぶようになります。

 


どのようなマッサージに行けばいいのか


少し古い単語ですが、「ゴッドハンド」と呼ばれる人。治療からリラクゼーションまで、幅広く高いレベルで提供できる技術を持っている施術師を指す際に使われていました。ただ、そのゴッド施術師の情報は世間にあまり出ておらず、かつ予約もなかなか取れない事と予想できますので、ここでは基本的な技術情報を記載します。そして、この項目の内容は私の私見が大きく入っている事をご了承ください。


【治療】「ぎっくり腰」や「捻挫」といった筋肉や靭帯の肉離れが疑われる場合。


治療は体の解剖や生理的な反応を知っている人に見てもらうべきです。なぜなら、治療は経験がモノを言うからです。リラクゼーションの施術師ではなく、治療院の施術師に診ていただいてください。治療では、怪我の患部に直接刺激を入れるというよりは、怪我の部位の治癒物質である白血球の生成を強める事、そして、不要になった白血球を早く排除する為に怪我の近くの筋肉などにアプローチをかける事で治癒を早めます。


また、怪我の部位は腫れが発生しますので、そのまま放っておくと、腫れの影響で本来は怪我をしていない部位にも悪影響を与えることがあります。そのリスクを軽減させる為にも治療を行います。


日本では治療院は「あん摩マッサージ指圧師」「柔道整復師」「鍼灸師」となります。主に筋肉に対して働きかけます。また、日本では国家資格はありませんが、アメリカやオーストラリアの国家資格を保持しているカイロプラクティックも有効です。このカイロは主に関節に働きかけることで、怪我の治癒を高めます。施術師が海外で学んできた経験がある治療院がお勧めです。


治療は資格の種類に関わらず、経験が豊富な方に診てもらうと良いです。多くの治療院は超音波や超短波などの物理機器も設置していますので、それらを使用すると直接患部に働きかけることもでき、有効です。


【リラクゼーション】「体の疲れ」や「筋肉の凝り」「気持ちの落ち込み」など、病気ではないレベルでの心身の疲労へのアプローチに限ります。


リラクゼーションの施術は施術師との相性が重要です。そこが合うようであれば、経験の浅い施術師であったとしても効果は期待できます。


「アロママッサージ」


90分、120分、という、比較的長い時間施術を行います。オイルマッサージで疲労を流す効果が期待できることと、アロマの精油の効果もあり、自律神経系への効果も感じられます。しっかりとリラックスをしたいという方にお勧めの施術です。


「按摩(あんま)」


主に、筋肉の繊維の方向に対して直角に筋肉を揺らしながら施術することが特徴です。典型的なマッサージと言えるでしょう。揉みが好きな方に特に適した施術です。


「指圧」


凝りや張りに対して持続的に圧を加える施術が特徴です。按摩と指圧は好みが別れるところです。強いストレスによる張りがある際は、特に有効です。


「矯正(整体と呼ばれることが多い)」


歪みを矯正し、骨格を整える施術。リラクゼーションの項目に入れましたが、熟練した施術師は治療も行うことができます。日本発祥の整体は、技術が細分化されていて、施術師によって扱う技術は多岐に渡ります。「ボディケア」「リラクゼーション」と記載してある店よりも経歴の長い施術師がいることが多くなります。


「足裏マッサージ」


足裏に体全体の反射区があると考える施術です。痛みを強く感じさせる施術師と心地良さを感じさせる施術師に分かれます。ランニングをした、ハイヒールを履いたなど、足裏やふくらはぎを酷使した際にも有効です。


「ヘッドマッサージ」


ストレスや緊張で交感神経が優位になっている場合や眼精疲労、一部の頭痛にも効果的です。按摩や整体でも行う場所がありますが、20分以上しっかりと施術すると特に効果的です。


「その他」


他にも様々な施術がありますが、上記のものがメジャーなものかと思います。まだメジャーではありませんが、例えば「アーユルヴェーダ」はインド発祥の健康法で、オイルに薬草を混ぜて施術を行う行為を行いますが、その他、体質分類による食事や生活まで診ると言われています。

 

マッサージだけに頼らず、体作りも行うこと


施術(広義でのマッサージ)をここまでお勧めしてきましたが、より健康増進や疲れにくい体作り、または生活のパフォーマンスを向上させたい場合は、定期的に運動も行うと効果的。 施術と運動の相性は良く、組み合わせることで、それぞれを単体で行うよりも相乗効果が見込めます。


筋肉は運動によって適度に刺激を入れると、筋肉の繊維が恒常性を発揮します。恒常性とは、細胞自身がより良い状態へ向かう働きで、これは我々の体に備わった原理となります。そして、運動の強度を上げると、さらにその反応が高まります。しかし、強度の高い運動は、リスクもあります。それは、筋肉や関節などの、身体中の細胞代謝に疲労が多く現れます。使い過ぎによる疲労は身体の状態を低下させます。


そこで、施術の重要性が増します。施術は運動負担によって張りの出た筋繊維を柔らかくし、筋肉内の代謝を上げます。これによって疲労が早く取れることにつながります。適切な運動負荷は、その人の回復力によって異なります。回復力を上げることによって、運動強度と頻度を上げることができます。ハイパフォーマーは運動と施術を、週単位で組み合わせるプランを立てる事で計画的に身体強化ができるようになります。


理想の運動頻度は、週2回の筋力トレーニング(1回につき30分)と、週5回の有酸素トレーニング(1回につき30分)です。<アメリカスポーツ医学会の見解による> この筋トレの後に施術を行うと、疲労が残りにくくなります。 私の主催するパーソナルジムではこの考え方を実践していて、運動と施術を組み合わせています。



マッサージを生活に取り入れて快適なライフスタイルを


身体のメンテナンスとトレーニングを自身の生活に取り入れることで、快適なライフを送ることができるようになります。


・質の良い睡眠がとれて、朝から調子が良い
・創造性が増して、仕事のアイデアが生まれやすくなる
・胃腸の調子が整って、体調が良い
・疲れを圧倒的に感じにくくなった 等


これら快適なライフスタイルを実現するためには、まず週の実施計画を立てます。さらに、長期的な計画をたて、季節毎や月毎の忙しさなどを考慮して年間の実施イメージを持ちます。


週のスケジュール例

 

このようにイメージを形にすることで「実施しなければ」といった行動を自分に促すことに繋がります。なかなか継続が難しいと思っている方には特にお勧めです。


月間スケジュール

 

自分の好みやタイミングに合う施術師を見つけて、更には運動も組み入れることで健康を強化していただくことでハイパフォーマンスなライフスタイルを送ることができるようになります。

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